太陽と毒ぐも (文春文庫 か 32-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年6月8日発売)
3.41
  • (43)
  • (84)
  • (149)
  • (26)
  • (8)
本棚登録 : 730
感想 : 86
5

付き合っている相手に対して、「きっと誰も、自分ほどには相手を嫌いになれないだろう」と思うことがすごくリアル。あぁ確かにそうだなぁと、少しの痛みと滑稽さを伴って胸に迫ってくるものがある。
好きなのに許せないというよりは、好きだからこそ許せないのほうがいろいろと言い得ている気がする。好きだと思うのと同じ分だけ、相手のことを憎いと思う。それでも、我慢して喧嘩して仲直りしてを繰り返して一緒にいる。なんなんだ。好きってなんだ、他人同士が一緒にいようとするってなんだ。
無駄なことだと思うのと同時に、その無駄こそが一番大事なのかもと思ったりもする。相手のことが憎くてしょうがない、もう疲れたってなったときはこれを読むようにしよう。嫌いなところではない何かを、思い出せると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年5月29日
読了日 : 2010年5月29日
本棚登録日 : 2010年5月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする