鎌倉の海水浴場 で出会ったその人を、私は先生と呼 び慕った。先生の家に厄介になるう ちに、厭世観の裏にあるものを知り たいと思った。父の危篤の知らせに 田舎に戻るが、いよいよ危篤という 日に先生から分厚い便りが届く。そ れは先生の遺書だった
友人を裏切り死に追いやったことを 誰にも知られたくないという浅まし さ。自分を騙して財産を奪った叔父 の汚さと全く同じだった自分に絶望 し、死んだように生きてきた。 普遍 的にある人の心の弱さを極限にまで えぐり出す。やはり、文豪の小説は 重いな、と思ったのだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2011年8月7日
- 読了日 : 2011年8月7日
- 本棚登録日 : 2011年8月7日
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