死ぬ瞬間と死後の生 (中公文庫 キ 5-2)

  • 中央公論新社 (2001年6月1日発売)
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感想 : 25
3

丁度、この本を読んでいる最中に件の天災は起こった。

否認
自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。
怒り
なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階である。
取引
なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態である。
抑うつ
なにもできなくなる段階である。
受容
最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である。
~wikiより引用

天災などによる死は、このような過程を辿れる余裕がないからこそ、より残酷性が増すのかもと思った次第。

ところで、甚だ不謹慎ではあるが…

相撲の八百長や、大学入試のカンニング事件や、前原さんを糾弾する人々は一体何処にいったのだろうか…
例の受験生を追って山形の母親を取材していた記者達は、そのまま仙台に移動したのだろうか…

そう言えば、阪神大震災の時にも多くの人が「私達が欲しい情報は"今現在、何処に、何が在る"なんです!」と訴えていたのを思い出した。

にも関らず、今回もTVでは…

今回の地震のメカニズムや原子炉の構造を解説することに多くの時間が割かれている(私達素人にそんなことを判り易く説明して、一体何の役に立つのだろうか…)

さらには…

日々明らかになっていく惨状や死者行方不明者数が、私達をどんなに陰鬱にさせているのか…

とにかく…

歴史や過ち、天災は何度も繰り返される。
しかし、死は一度しかやってこない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 人文・歴史
感想投稿日 : 2017年6月19日
読了日 : 2011年3月13日
本棚登録日 : 2017年6月19日

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