ロートレック荘事件 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1995年1月30日発売)
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感想 : 533
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筒井康隆の『富豪刑事』に次ぐミステリー作品である。康隆の領分ではないが、『富豪刑事』の素晴らしさは語るまでもなく、本作も期待感と共に読み始めた。

舞台はロートレックの絵画だらけの別荘「ロートレック荘」。そこに集まった金なしの芸術家と金持ち一家、そして美女たち。芸術家が結婚相手を選ぶ中、邸内で殺人事件が。そして、殺人は警察の監視の中も続いてゆく。

序盤は康隆にしては珍しく落ち着いた入りで、中々発展がない。しかし、ミステリーファンには何も無いところに鍵があることはご存じなはず。そして終盤の衝撃の種明かし。

王道を踏まえつつ、新たなトリックで読者を魅了する、康隆の底を窺い知ることは難しいだろう。また1つ、素晴らしい作品に出会えました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2023年1月28日
読了日 : 2023年1月28日
本棚登録日 : 2023年1月28日

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