筒井康隆の『富豪刑事』に次ぐミステリー作品である。康隆の領分ではないが、『富豪刑事』の素晴らしさは語るまでもなく、本作も期待感と共に読み始めた。
舞台はロートレックの絵画だらけの別荘「ロートレック荘」。そこに集まった金なしの芸術家と金持ち一家、そして美女たち。芸術家が結婚相手を選ぶ中、邸内で殺人事件が。そして、殺人は警察の監視の中も続いてゆく。
序盤は康隆にしては珍しく落ち着いた入りで、中々発展がない。しかし、ミステリーファンには何も無いところに鍵があることはご存じなはず。そして終盤の衝撃の種明かし。
王道を踏まえつつ、新たなトリックで読者を魅了する、康隆の底を窺い知ることは難しいだろう。また1つ、素晴らしい作品に出会えました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2023年1月28日
- 読了日 : 2023年1月28日
- 本棚登録日 : 2023年1月28日
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