探偵チームKZ事件ノート ハート虫は知っている (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (2014年3月14日発売)
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感想 : 17
3

ネタバレで、KZにもう一人メンバーが追加されるということをウッスラ知ってたけど、ここでか~。
ほんで、彩ちゃんのクラスメイトなのか~。
なるほどな~。
美門翼という名前も
いかにも藤本氏設定
ちゅう具合で、ヨロシイデスネ。ちゅうかこれまでにこんな感じの名前のキャラ、いなかったっけ?
(それは美馬某か)

まァ、よくこういう感じの名前を思いつかはるよなあ・・・、と、さすがな少女漫画設定に単純に感心するけど、それやったらタイトルももっとなんとかならんの。
このシリーズって、タイトルがびみょうすぎるよね。
ハート虫って。
ハート虫・・・。実在(?)してるんやろうけど、どんな虫なのか想像もつかへんし、あんまり清潔なところにいる珍しい虫というわけでもない様子。

でもこの
「清潔でないところに生息する虫」
が、今回の謎のキモではある。

正直、筋はめっちゃ面白かった。
仮入部の翼の持ち技が「人並み外れた嗅覚」と、いうのもどうよ、と、思わなくもないけど、小塚くんと合わせるとすごい科学調査班・・・。

黒木くんの推理は、(聞き込みの描写が皆無なため)いまひとつ説得力がないので、小塚くんと翼の科学調査班は見ていて面白い。
下水に頭やら手をつっこんで淡々と調べる様子はすっかりプロやし、こういう描写を見ると
「著者のマジメなミステリ小説が読みたい」
と、思うわー。著者の書く男子は(基本ストイックで)格好いいんやから、その男子を横で見ている女子は書いてくれなくてもいいのに・・・(面倒臭いので)。

だって、彩ちゃんだんだん面倒臭い・・・(笑)。

今回は冒頭で黒木くんを避けてたけど、ええ加減これもなあ。
目立つグループの人に声をかけられたら周りになんやかや言われる、ちゅうのはわからなくもないねんけど、いい加減コソコソするのもKZのメンバーに失礼でしょうよ。

自分たちよりも周囲の目ばっかり気にする彩を、そうまでしてメンバーに加えなあかん?
彩本人も気づいてると思うけど、それって大概KZメンバーに失礼やで? だって彩は自分のことしか考えてへんねんもん・・・。

確かに妬まれるのは、いややけどなあ。
いい加減、他人に妬まれるかKZを抜けるかの二択しかないことを気づいてほしいなあ。
なんとなくそのあたりをぼやかしてこれてるのは、黒木くんや上杉くんはじめKZのメンバーが優しいからやで。
それに胡坐をかいているのは、ちょっと・・・。
果たして今回も、彩が黒木くんを避けた理由を「黒木くんは気付いてない」んやろうか。
気づいてなかったら携帯なんて貸さんのちゃう?
ちゅうか、これもなあ。携帯の貸し借りは、どうやろう~・・・。

「借り物なので発信はしないでおこう」
と、思うのは、ちゃんとしてるな、と思うけども、そもそも貸し借りが・・・。

ほんで、メールの送受信は結構やってそうやん? とか。
あっ、こっちはパケットやから何回送受信しても無料なんかな・・・。お金のことばっかりですいません。

イヤでもお金大事よね!? 最後に彩もいうてたやん、お金は大事やし、持つのも使うのも分相応であるべきやって。
スタバで低料金のものをオーダーする彩は、相当好感が持てるよ! こういうところをしっかりできるなら、中学生でこんな活動をやっても大丈夫やんな、と、思える。

(最早何目線かわからない)

あー、もう、高校生設定にすればいいのに・・・・・・・・! (いやいや青い鳥文庫やから)

まあまあ、そこにイラッとしてもしょうがないよね・・・。彩がこういう性格のも踏まえてのこのシリーズやもんね・・・。

(ちゅうかハーレム設定にする時点ですでにリアリティはほぼないんやから、「妬まれる」とかそういうひくつな考え方もここではおいてきてええんちゃうの)

(まだいう)

あと、ところどころギョッとする表現があるんやけど・・・(笑)。

「どことなくアブない感じがする」うわさのカレを見てるだけで「ドキンドキンしちゃう」そうなんやけど、

ドキンドキン・・・!?

そ、そこは「ン」がいらないんじゃないですか(しかも二つも)。
ドキンドキンすることもあるけどな・・・、いやあるかな。昭和の少女まんが感すごいな。


何がやりたいかわからないから、かたっぱしから新しいことに挑戦していく、と、いうのは、まさに青い鳥文庫世代にはぴったりの考え方やと思います。
失敗してもいい。そもそも若いうちの失敗なんて、失敗のうちに入らないから大丈夫(とはいえ、当人には一大事やけどね)。

翼は器用やからそう言えるんやろうなあ、と、思うところもあるけど、基本、新しいことに挑戦するスタンスで過ごすべきやと思います。

などと考えると、フォーティーズも挑戦してええんちゃう・・・とも思いはじめてきて・・・。だって自分の道は年齢がいくつであろうと常に探し続けるべきやし、フォーティーズだってさらにその上の年代の人から見れば
「若いうちにする失敗なんて失敗のうちに入らん」
って思われるんやろうし・・・。

そういう意味では、いつまでも挑戦なんやねえ・・・。気持ちの持ちようやねえ。


誰かが心を開いて見せてくれたら、それを応援すべき、と、いうのも、青い鳥文庫世代にこそ心に留めておいてほしいことかも。
その「応援」も、「がんばれ」と、口先でいうだけではなくて、自分のできることで何らかの協力を(ここぞというときに)することだというところまで含めて。

他人にも自分と同じように、理由も、都合も、事情もあるのだと思えば、多少馬が合わない人でも気にくわない人でも、「排除しよう」と、いう結論には至らないと思う。

世の中にはいろんな人がいる。世の中のすべての人とうまくやっていけるわけではない。いかないことのほうがむしろ多いかもしれない。
学校という限られた世界のなかではより、自分とその世界が馴染めたらラッキーぐらいの気持ちでいい。

友だちは大切にすべきだ。誰かが心を開いてくれたら応援すればいい。
でも、それができないから悪というわけでもない。順列があるわけでもないのよ。


・・・でも、彩自身が順列もつけるし、「みんなと同じで、目立たない」と、いうことを至上主義にしてるからなあ・・・。

あ、そうか。
逆に、まったくそういうことを考えず、自分の得意分野だけを徹底的に武器にする面子が、KZか。
彼らとの対比で、彩の考え方では世界が狭くなって勿体ないよ、と、思えばいいという、反面教師なのかこれは。笑

(複雑やなあ)

だって、現実的な話をするなら近い将来、高校でも大学でも環境が変わってKZとしての活動をやらなくなったときに、
「中学生のときに、もっと他人の目ばっかり気にせずに思いっきり彼らと接しておけばよかった」
と、彩は後悔するよ?

(そこ、確定か)


■■■■■

■人事不省(じんじふせい)
意識不明・昏睡状態になること。

■朝飯 (いや、意味はわかるけど、こういう言葉があるのは知らんかった・・・)
朝の食事。朝食。あさはん。

(2017.06.03)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年4月19日
読了日 : 2017年6月3日
本棚登録日 : 2020年4月19日

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