私は本を読むのが好き。映画を観るのも好き。絵画や音楽も好き。大切にしている作品もいっぱいある。
だけど、ある作品(本であったり、映画だったり、絵だったり、歌だったり)によって、自分の人生を左右された憶えはほとんどない。もちろん、『あの年齢』のときに『あの作品』に触れていなければ今の自分は存在していないという、そんな思い出がある筈もない。
作品に触れて感じるのは「好きか嫌いか」「面白いか(印象的だとか、魅力的だとか、興味深いとか、感動したとか、そんなものみんな含めて)否か」それだけ。
理由を考えてみる。私の感性が鈍いのだろうか。冷めているのかもしれない。そしてもうひとつ。それは、私が何かに救いや心の拠り所を求めなければならないほどの辛い思いをしてこなかった。家族やまわりの環境に恵まれ、平凡ながらも幸せな日々を送ってきた証なのかもしれない。この本を読んで、ふとそんなことを思った。
構成・展開もうまく、良い作品だ。
丁寧に綴られ、そしてクライマックスに近づく第12章~最終章では、コウちゃんと環の互いをそっと思いやる深い想いに、心が震え、胸が熱くなった。
いつか再び、今度はもっとゆっくり読みなおしてみよう。
この本を読むきっかけをくれたのはブクログのお陰。感謝!
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
辻村深月
- 感想投稿日 : 2012年6月9日
- 読了日 : 2012年6月9日
- 本棚登録日 : 2012年6月30日
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コメント 3件
koshoujiさんのコメント
2012/06/09
koshoujiさんのコメント
2012/06/10
sorairokujiraさんのコメント
2012/06/18