確か、高校生のときに著者の名前のカッコいいと感じ、高校の図書館で文庫本の小説を借りて一度読んだように思います。後、「友情」もかな。30年近く経て、このオーディオブックで聴いてみましたが、全く内容を覚えていませんでしたね。こんな話だったのかあという感じでした。俳優 寺田農さんの朗読で聴くといいですね。聴くごとに作品の理解が深まったり、見方が変わったり。この作品は最初に題名”愛と死”というテーマを決めて、当時大流行したスペイン風邪を絡めて物語を描いていったのだろうかなどと考えたりしました。手紙のやりとりというタイムラグのあるコミュニケーション手段によって点と点が繋がり、人の感情が変わっていく様は現代の僕にとってはとても新鮮でした。後、作品解説に「その内部の声を平明率直に述べる口語文体は、二葉亭四迷より苦闘の末、開拓された原文一致体の結実といい得る。」とありました。なるほど確かに聴いていてほとんど違和感がありませんでした。文体の変遷もこの作品に現れているんですね。
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- 感想投稿日 : 2013年7月14日
- 読了日 : 2013年7月14日
- 本棚登録日 : 2013年7月14日
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