濹東(ぼくとう)綺譚 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店 (1948年12月25日発売)
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玉の井の私娼窟を舞台とした、永井荷風58歳の作品。荷風が玉の井を実地調査した話は彼の『断腸亭日乗』で読んだが、それがこのような静かな作品として結晶したことに感じ入る。ただ、当時の東京の地誌を知っていれば、もっと深く読めたかな、という感じもする。なので、脚注がないのは少々残念。

とはいえ、岩波文庫版には木村荘八の挿絵が添えられていて、これは素晴らしかった。文と絵とがセットで、一つの作品なのだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年9月30日
読了日 : 2022年9月29日
本棚登録日 : 2022年9月29日

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