ハリーオーガストは、死ぬとまた生まれる。同じ年、同じ親から生まれて、人生を繰り返し生きる。前回の人生の記憶をそっくり持ったまま、今回で15回目。
この物語は「わが敵。わが友。」に向けて書かれている。といっても手紙調ではなくて、読んでいる間はだいたい、そのことを忘れている。最後の方で、そういえばそうだよね、と認識を改めるくらい。中盤以降の、この「わが敵。わが友。」との攻防、ハリーオーガストの嘘がたまらなくおもしろい。そして最後、泣きそうな気持ちになる。泣きはしないし、泣かせるようなタイプの小説ではない(と思う)んだけど、心ががっと掴まれる。「わが敵」のおもいにも、想像を巡らせる。なにか違えば、なにかが違えば、と思う。そして、これからも16回、17回…と続くハリーの人生のことも。
本当にいい読書だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年10月6日
- 読了日 : 2016年10月6日
- 本棚登録日 : 2016年10月6日
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