巨体で尊大なメイン州の教師・オリーブ・キタリッジの50代から70代(だったと思う)にかけての日々を、彼女が主役だったり脇役だったりしながら紡いでいく短編集。
このオリーブが魅力的で、私の口の悪い田舎の伯母さんを髣髴とさせる。
ずけずけ物を言って、でも人並みに傷付きやすく、時に誰かの救いになったりする。
夫や息子との間には深い葛藤があり、特に息子とのくだりは息子を持つことの怖さすら感じる。
彼女に近く、彼女が愛する人ほどぎくしゃくしてしまう切なさ。
どの話の登場人物もだいたいちょっとずつ不幸で、
だからこそささやかな光も温かく感じられるのだろう。
一番好きだったのは教え子の夫の葬儀に行く話。
メイン州の物語がスティーブン・キング以来に読めたのも嬉しいところ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年11月17日
- 読了日 : 2014年11月17日
- 本棚登録日 : 2014年11月17日
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