池井戸潤の初期の頃の作品で、銀行を舞台にした王道の金融ミステリー。池井戸潤お得意の勧善懲悪を基本としたストーリーではあるが、主人公が完全に善ではなく、不倫もし、迷いのある等身大の人物として描かれている。支店長や人事部の横暴の描写は、流石に本当の銀行はここまで酷くないだろうと思うほど非人道的で、読んでいてムカムカしたが、最後はスッキリできた。ただ、登場人物の掘り下げが不十分など、後年の池井戸作品に比べると、ちょっと盛り上がりに欠ける気がするのは否めない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2016年1月10日
- 読了日 : 2013年6月16日
- 本棚登録日 : 2013年6月16日
みんなの感想をみる