アメリカ大統領制の現在 権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス)

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  • NHK出版 (2016年9月21日発売)
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トランプ大統領が誕生した2016年のアメリカ大統領選の直前に執筆された、アメリカ政治の解説書。アメリカ大統領制の歴史的な展開や国際的な制度比較の観点から、アメリカの大統領が常に直面する困難さや課題について明らかにしている。
2020年のアメリカ大統領選が近づいてるので読んでみたが、もともと合衆国憲法は議会が政策過程の主導権を握る前提であったこと、ニューディール期に憲法改正なき大統領制の転換があったこと、アメリカの大統領は制度的にも政党指導者としても限定的にしか影響力を行使できないこと、1970年代まではリベラル・コンセンサスが存在していたこと、近年はハネムーン効果はほとんど確認できないことなど、いかに自分がアメリカ政治についてよくわかってなかったかがよくわかった。トランプ政権の4年を経て、本書執筆時から状況が変わっているところもあるが、現在また今後のアメリカ政治について考える上で必読の書であるといえる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月24日
読了日 : 2020年9月13日
本棚登録日 : 2020年1月26日

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