これはノンフィクションとしましょうか。んで、読みながら不思議に思っていたのは、何故筆者は当時の記憶を鮮明に覚えているのか?でした。
その瞬間瞬間のリアルな動き・感情・空気、いくら本人にとっては衝撃的な旅行であっても長く旅をしているわけですから、まあそこまでは覚えてないでしょーっと、興ざめな私。サーセン。
ちょっと調べた所、筆者さんは金銭出納帳がわりのノートと手紙の存在が大きかったと、それプラス参考文献を資料に記憶を読み直したと。また、その手紙は一生かかって書くべき量を1年で書き尽くしたというぐらい、頻繁に書いてたようですね。ああ、それか。
とは言え、40年前位の作品ですが、面白い。バックパッカーなんてお腹の弱い私にはまずあり得ない世界ですが、筆者と現地の方との交流というか、交渉というか、絶対現地に行きたくないくらい楽しい。インド編で私の頭の中を過ったのは三島由紀夫<豊穣の海三部作『暁の寺』>で本多の印度への旅、まさにベナレスがそこです。三島は”さるにしてもベナレスは、神聖が極まると共に汚穢(おわい)も極まった町だった”と作中で表現し、そして沢木は第9章で”死の匂い”とタイトルを付けています。
グロ映画が好きな私にはちょっと覗いてみたい世界ですが、やはりインドへ行くのは嫌ですね。そう、お腹が弱いので。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2024年3月29日
- 本棚登録日 : 2024年3月29日
みんなの感想をみる