下巻に収められるのは第二部「ソーストン」と第三部「ウィルトシャー」。リッキーを始めとして登場人物の魅力が伝わりにくいのが読みづらい理由の一つだけれど、後半のためらいながら少しずつ「生の真実」に手を伸ばしていく彼は応援できる。でもそれは摑んだと思うと手からすり抜けてしまう。
フォースターは英国人らしくユーモアをとても大切にする作家なのに、どこかに憂愁をたたえている。真に生きることの喜びとほろ苦さの両面を彼はいつも描く。『果てしなき旅』でも難解ながらそれが伝わってくる。フォースターを読んだなあ、という読後感。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
イギリス - 小説
- 感想投稿日 : 2014年11月26日
- 読了日 : 2014年11月26日
- 本棚登録日 : 1970年1月1日
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