明治維新直後の東京を舞台に、時代の波に翻弄されつつ、雄雄しく立ち向かった女たちの短編集。これまでの価値観と生活基盤が瓦解し、その中で生きていかなければ、と自分を励ます女たちがけなげで、したたかで、哀れで…。維新の英雄たちの素顔が、あまりに成り上り者然としていたり、人非人と言えるほど身勝手に冷たかったり。男尊女卑がまかり通っていた明治の男だし、幕末の理想に燃える心は真実でも急に手にした権力は嬉しかっただろうし、と思うと、さもありなん、と思ったり、いや、いくらなんでもそれはあんまりだろう、と思ったり。
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- 感想投稿日 : 2009年10月10日
- 読了日 : 2009年10月10日
- 本棚登録日 : 2009年10月10日
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