ともしびをかかげて 下 (岩波少年文庫 582)

  • 岩波書店 (2008年4月16日発売)
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感想 : 16
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ブリテンの王子アンブロシウスの部下となるアクイラ。
サクソン軍との戦いに挑むことになる。

ネスを妻とし愛の無いまま結婚生活を送る二人だが、
ネスがアクイラと離れて息子のフラビアンと共に逃げることを是とできない姿に
妹のフラビアの姿が重なったところにはっとした。
アクイラはここでやっと妹の気持ちが理解できて、彼女を許せたのではないだろうか。

ブリトン側が勝利した後、サクソン兵として戦いに出ていたフラビアの息子マルに出会うアクイラが
彼を助け、マルもまた伯父の好意を最終的には受け入れる。
託した指輪が送り返されてきた時にはほっとした。
伝言もフラビアに届けられたことだろう。
このことをアンブロシウスに告白するシーンも心に残る。

下巻の上橋菜穂子先生の『運命の本』という文章も素敵だ。
このシリーズの主人公には必ず『諦めることを受け入れる』という転換期がある。
諦めずに頑張る、というのではなく、諦めてそこを乗り越えるというところに
運命をどう受け入れ生きていくのか、人間の姿が見えてくると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年3月3日
読了日 : 2021年3月3日
本棚登録日 : 2021年3月3日

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