いつごろからそれが存在するのかは誰にもわからない。
アジアの西の果て、周囲を山々に囲まれた白い荒野の向こう、灰色の小高い丘の上に立つ矩形の遺跡。
「存在しない場所」、「在り得ぬ場所」と呼ばれるそこでは、これまで何人もの人間が姿を消していた。
そして現代。その矩形の遺跡──通称『豆腐』で起こる人間消失の謎を解き明かすために、神原恵弥、時枝満、スコット、セリムの4人がこの地へとやって来る。
最初はただの謎解きだった。しかし、『豆腐』の内部に潜入させた遠隔操作用のカメラが、そこにいるはずのない何者かの足を映した時から事態は一変する。
荒野へと通じるただひとつの谷が破壊され、彼らは孤立。そして『豆腐』の内部は一夜にして形を変え、セリムが消えた──。そこに誰がいるのか。消えた人間はどこに行ったのか。
迷い込んだら戻れない、白い迷宮の向こうに真実を見つけることはできるのか──?
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
―恩田陸
- 感想投稿日 : 2013年7月20日
- 本棚登録日 : 2013年7月20日
みんなの感想をみる