死者の長い列 (二見文庫 ブ 1-13 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房 (2002年11月1日発売)
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本棚登録 : 90
感想 : 7
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ミステリーとして云々という評価をよく見るが、作品の序盤に流れるこれは殺人なのか否か、というあやふやさの処理の仕方が好きだった。しかして、その真相も凡庸。最後の決着も、らしいといえばらしいのだが、法月倫太郎が解説で書いたとおり、マットはその決着にまったく入れ込まず、淡々と職務としてその役割を果たす。そう、入れ込まない。今回、人間関係的にもアル中的にも落ち着いていて、事件や犯人に入れ込むことがない。事件による精神の浄化を必要としていないのだ。
あるいはこじんまりしたのかもしれない。探偵免許を取得し、事務所を持った方がいいのではないだろうかというマットの悩みは個人的なものでニューヨークのものではない。八百万の死にざまでニューヨークの闇を引き受けようとしたマットはそこにはいない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ハードボイルド
感想投稿日 : 2016年4月18日
読了日 : 2016年4月18日
本棚登録日 : 2016年4月18日

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