十二国の世界に生きる人々の四編の話。最初に前巻までの登場人物は出てこないと知ったとき、少し落胆したのだけれども、読み進めていくうちにこのような名も無き人々のお話があるからこそ、十二国記の世界が成り立っているのかもしれないと思った。必要不可欠だからこそ、小野さんは長編を執筆する前にこれを書いたのではないかと。
どのお話も次への希望を見出せるような、力強いパワーを感じたのだけども(『落照の獄』は少し違うかもしれない)、とくに『青条の蘭』が好き。標仲が初めて人に助けを求めたシーンは泣きそうになってしまった。物語のラストに実った卵果は彼の国のこれからを予感させて気持ちよく読了できた。
次の長編がとても待ち遠しい。
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- 感想投稿日 : 2013年8月8日
- 読了日 : 2013年8月8日
- 本棚登録日 : 2013年8月8日
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