まず先に記さねばならないのは最早僕は若くはなく、死も別れも少なからず経験してしまっているということだ。
本書は文章としては些か拙く技巧もそれほどない。あっと驚くような仕掛けもなくある意味で淡々と話は進んでいく。
そこには一切の期待もないし、読み手のときめきもない。どちらかというと先に書いたような稚拙さや、主人公をとりまくイベントにはなじらんでしまう瞬間さえもある。
しかしながら読み進めてしまったのはほかでもない、作者の存在、その人生が投影されているという先入観があったからだ。
この本が売れるための嘘ならば良いのに、とさえ思うほど僕はもう歳を取ってしまったのだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年9月1日
- 読了日 : 2017年9月1日
- 本棚登録日 : 2017年9月1日
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