神と科学は共存できるか?

  • 日経BP (2007年10月18日発売)
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本書では、NOMA(non-overlapping magisteria)という直訳すれば「非重複教導権」という概念を定義する。それによって、宗教と科学の線引きを行い、互いにそれぞれの領域を侵さないことが両方の存在において重要であると説く。ニュートンのような偉大な科学者を例をあげ、このような科学者は「宗教のNOMA違反を問題にせず(つまり、宗教の科学への介入。例えば、天動説)、宗教に敬虔であった」ことを示す。こういう姿勢で、宗教の偏狭さに眼を瞑り、おおらかに宗教を見ることが、神と科学の共存に繋がることは明らかだろう。しかし、私の理解では、偏狭な宗教がまずは科学を敵視した。これは、ガリレオやコペルニクスなどの事例から明らかであり、宗教は科学に対してもっと謙遜すべきだろうというのが私の意見。やはり、著者が「偏狭な一神教の神」文化圏の人だけに、NOMA的とは、宗教による科学への優先を前提とした融和的思想なのだろう、と思った。

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感想投稿日 : 2018年10月23日
読了日 : 2009年2月4日
本棚登録日 : 2018年10月23日

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