音楽の聴き方: 聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書 2009)

著者 :
  • 中央公論新社 (2009年6月1日発売)
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音楽のみならず、芸術全般や言論、世界との接し方に通じるものがある。

音楽の聴き方には方法論がある。単なる好き嫌いじゃない。その好きだって、すでに集団的に経験的に出来上がった履歴「内なる図書館」だ。その図書館にこもって、いつまでの自己に出会うだけの反復じゃあ、つまらないだろう。それはパブロフ的「刺激と反応」(動物化!)じゃないか。

いい音楽と出会えば自然と体が動くだろう。分かるから、分け合いたいんじゃないのか? それがスイングだ! 音楽を聴くとは、意味を探すこと、他者を探すことだ。外へ出よ!!である。

デジタルコンテンツ溢れる現代では、いくらでも簡単に「感動」という刺激に出会うことは可能だ。だからこそかえって、本書の実践のような「手間」をかけることが大切だ。動物ではなく、人間であり続けるために。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年3月9日
読了日 : 2023年3月8日
本棚登録日 : 2023年2月7日

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