三陸海岸大津波 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年3月12日発売)
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本棚登録 : 1844
感想 : 291
5

事実が淡々と書かれているところがいい。三陸海岸の自然やそこに住む人々の暮らしが好きって著者が話しているところも好感が持てる。
チリ地震津波について被害があったことは知っていたけど実際の様子は初めて知った。私自身は自分の地域にも他の地域にも知り合いの古老となる人はいないので、たとえ悲惨なものだったとしても過去にあった体験を教えてもらえる話は有り難い。明治、昭和の三陸地震の住民の声を基に短かめにまとめられていて被害の様相を比べながら読んでいくのにも分かりやすくてよかった。

嫌な予感がして起きるんだけど「冬の日や晴れてる日は津波はこない」という迷信を信じて、それで安心してもう一度眠りにつく部分もとても気持ちが解る。
真夜中だし暗いし寒いし明日もあるし、と思うと実際やりかねない。そして普通にありそうな行動一つで生死が決まってしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年8月11日
読了日 : 2022年8月10日
本棚登録日 : 2022年8月4日

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