p.55「夜、暖かい家の中で、これから面白い話を聞くのを待っている。恐らく、大昔から世界中でなされてきた行為。やはり、人間というのはフィクションを必要とする動物なんだな。」
「三月は深き紅の淵を」という謎の本を巡る短編。
表紙、挿絵が雰囲気あっていい。
みんなの記憶の断片と口伝えのみで広がる本の存在、それがどこかにあるという謎、たくさんの本が詰まった家、という発想とわくわく感が雰囲気があって良かった。次のも「三月」の作者について意見を交わして故郷をつきとめられるのか、というアプローチが面白かった。
残りの二編はあまりつながりが感じられないし、もやっとした感じで終わってて残念。
恩田陸さんの、本や作者について語る部分が的確で批評的で作家の熱い思いみたいなのが感じられる。
読書状況:読み終わった
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書籍
- 感想投稿日 : 2018年6月30日
- 読了日 : 2018年6月30日
- 本棚登録日 : 2018年6月30日
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