未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2017年6月14日発売)
3.59
  • (192)
  • (449)
  • (439)
  • (88)
  • (22)
本棚登録 : 5138
感想 : 514
5

基本的に正しい予測と提案だと思う。
人口の将来予測と問題点はわかりやすいはずなのに、なぜ今までまともに対応していなかったのか不思議だが、それは何をするにしても現在生きている人には不利益になり、有権者が選ばないからだろう。

以下は読書メモ:

高齢者数の増加を意味する「高齢化」と、高齢者の割合が増える「高齢化率の上昇」は違う。
地方は高齢化率は高いが、高齢者数はそれほど増えない。若者が少なくなって高齢者も増えようがない。大都市部はその逆。

高齢者数が増える「高齢化」と、子供の数が激減する「少子化」とは、全く種類の異なる問題。
少子化対策が功を奏して出生率が上がっても、高齢者の数が減るわけではない。

日本の問題点は、人口減少をもたらす出生数の減少、高齢者数の増加(率でなく)、社会の支え手である勤労世代の減少。しかも、これらが全国一律に進むわけではないこと。

政府の対策案 外国人労働者、AI、女性、高齢者 これらは取り組むべきだが、切り札にはならない。
提案する5つめの選択肢は「戦略的に縮む」

戦略的に縮む
1 高齢者を削減 年齢区分を変える
2 24時間社会からの脱却 不要不急の過剰サービスを見直す
3 非居住エリアを明確化
4 都道府県を飛び地合弁
5 国際分業の徹底

豊かさを維持する
6 匠の技を活用
7 国費学生制度で人材育成

脱東京一極集中
8 中高年の地方移住推進
9 セカンド市民制度を創設

少子化対策
10 第三子以降に1000万円給付 第1子対策は結婚支援、第2子対策は長時間労働の是正、第三子以降対策は経済支援
社会保障費循環制度 死んだら返す

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2018年2月17日
読了日 : 2018年2月16日
本棚登録日 : 2018年2月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする