皆様のレビューを見てずっと気になっていた作品。フォローさせていただいてる方々のむっつりストーカーな私こと「黒いシャツの女」はこれを追いすぎて読んだ気になっていたのだが、やっと手に取ることが出来た。
はて、タイトルは「むらさきのスカートの女」である。皆様のレビューに必ず存在する「黄色いカーディガンの女」とは何者なのか常に不可解に思っていた。畏怖せざるを得ない存在であることは間違いなさそうなのだが...
そんな未知に踏み込んだ私を、読み終えた皆様が優しい笑みを浮かべながら見守ってくれている妄想に浸りながら(※むっつりストーカー)世にも奇妙な物語の世界へトリップしていった。
語り手は「黄色いカーディガンの女」。そして、どの町にも必ず存在するちょっと様子のおかしな名物おばさん枠が「むらさきスカートの女」となる。
人々に嫌厭されるむらさきの女と、彼女とお友達になりたい黄色の女。その健気な気持ちが徐々に狂い暴走していく...と、いう訳ではなく、
最初から最後まで違和感が付き纏っている。
まず、むらさきの女の行動は作者が読者に伝える「語り」ではなく、終始黄色い女の目線なのが恐ろしい。「見守り」の域を余裕で超えている。
そして、「執着」だ。危害を加える等の悪意は全く持っていないはずなのに常に景色が歪んで見える。悪意の無い呪い、怨念に近い感情がこの作品の色彩を奪っているかの様だった。(褒めています)
同じような言葉を繰り返すが、兎に角
読者の相棒となるはずの語り手が、あくまでこれか正常だと言わんばかりの異常者なのだ。
いやしかし、そうなるとむらさきの女に危険が迫るのではとサスペンスの予感が膨らむが....
ご安心を、むらさきの女も大概ヤバめだ。
でもなんて言えば良いのだろう...うーん...彼女はまともなヤバさと言った所だろうか...(笑)つまり黄色の女とは毛色が違う。いや...これもなんか違うな...。そうだ!種族の位が違う。
「原種」と「亜種」だ。
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起伏はないが、ゆっくり確実に(一方的に)縮まってゆく二人の距離感にドキドキした。JAWSが人間たちの乗る船に徐々に近づく時に流れるあのメロディが流れてくるようだ。でーでん。でーでん。ででででででででで(以下略)
著者の作品は初でしたが、とても面白かったです。他の作品も読んでみたいなぁ。
紹介してくれた皆様に感謝です(*^^*)
- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年6月7日
- 本棚登録日 : 2022年6月7日
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