転進瀬島龍三の「遺言」

著者 :
  • 講談社 (2008年8月7日発売)
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本棚登録 : 75
感想 : 9
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瀬島龍三に興味を持ったのは山崎豊子の「不毛地帯」を読んでからである。その主人公 壱岐正のイメージモデルが瀬島龍三だと聞いたからだ。もっと本当の瀬島の姿を知りたい。そう言う意味ではこの本は最適ではないだろうか。文字通りの波乱万丈の人生。彼はいったい常人の何人分の人生を生きたんだろうか。瀬島龍三の光と闇、功と罪。瀬島龍三との親交も深い新井喜美夫によって書かれた作品にも関わらず、闇の部分も辛辣に描かれている。本当は新井は瀬島の事を嫌っているのではないか?とさえ思えるぐらいの場面もある。でもまさに戦時の闇の部分を身体の奥深くに抱え、墓場まで持っていくしかない秘密を呑み込みながら生きた。まさにそんな人生だったのだろう。とても読みごたえが有った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年7月9日
読了日 : 2020年7月9日
本棚登録日 : 2020年7月9日

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