「ねぇ……」
「もしかしたらこれは……」
「…宿題怠けた、」
「私の勝ち組かもよ……」 - 1巻
少女x日常xデストピア! ですって。
おやすみプンプンとかははいはいサブカルって一歩引いてましたけど、コレ3.11の影響受けた系の作品で一番好きです。やられた。
話は三崎亜記とかがよく書いてる感じの日常になった非日常系。なんだけど、その日常の密度がすごい。
ワケわからん超巨大飛行船が攻めてきて、よりにもよって23区上を滞空しながら第九地区状態になった日本で、10年代以降のほんっとにフツーの人々がフツーに生きている。高校がよく休校になって愚痴ったり、避難所が定期的に活用されるようになって小学生と爺さん婆さんの溜まり場になっていたり、S○NY以下電機メーカーが軍事開発でかつての勢いを取り戻しつつあったり。
この人が書く「現代の日本が戦争したらこんな風になるよ」感は、いろんなSF読んできたなかでもかなりワクワクする異世界だ。
あと登場する女子高生が、カワイイ女の子とアホな男子高校生のいいとこ取りな性格してるのもgood.
冒頭のセリフを、8.31に宇宙船が攻めてきた時、主人公のカワイイ女の子が、2chみながらステキな笑顔でつぶやくのだ。
というか全体的に台詞回しが良いのよね。
「ばかやろう!!こちとらナチュラルボーン世紀末だぞ!!」とか
最後に、このマンガ未来視っぷりも半端なくて、なんとトランプ大統領を選挙以前に予見している。と言うのもトランプを思いっきりパロった「パドロン大統領」なる人物が最初に言及されたのは3巻(2015年9月)なのだ。
多分この時点では「東京上空の宇宙船に容赦無く核ぶっ放した人」程度のイメージなんだが、よりにもよってそのイメージ通りの人が本当に大統領になっちゃったっていう喜劇。
SFはこれだから面白いですね、ホント
- 感想投稿日 : 2018年12月23日
- 読了日 : 2018年12月23日
- 本棚登録日 : 2018年12月23日
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