活字狂想曲: 怪奇作家の長すぎた会社の日々

著者 :
  • 時事通信社 (1999年3月1日発売)
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本棚登録 : 110
感想 : 12
5

再読本。

怪奇作家倉阪さんの、校正者としての
社会人時代の数年間。
当時大爆笑したけど、再読しても大爆笑。

校正、印刷業界の裏話も満載。
ガイドブックや会社案内で、都合の悪い
ことが校正の段階で削除されるということ。
(会社案内でこの部署は島流し、ということが
削除されたりするそう)

値段間違いの広告は、最低でも1個は売らなくては
ならない。
50万円のヨットが5万円で売られたケースも
あるとか。(この時は、売る側に印刷会社に
請求しろと言えば大丈夫との裏技も伝授)

本書の刊行は1999年。
無意味な朝礼(指さし確認、よしっ!)、残業、
安い給料、こんな会社悲惨!と思っていたけど
現代のブラック企業に比べれば、この会社も
立派ないい会社、にあたるので時代は変わるもの。

不親切な仕事の渡し方をしてきた得意先に
バカと書いたことがきっかけで、皆の前で
社員証を叩き付けて辞めていく最後の散り際(財布の
中のレシートも舞う)に拍手喝采しましょう。

「自信を持て、自信がないから君の仕事には、
粘りも迫力も、そして厚みすらがない」
社内の標語、悪い文章の見本だけど、
なんか印象に残った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2014年2月8日
読了日 : 2014年2月5日
本棚登録日 : 2014年2月6日

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