有名、無名を問わず、新撰組隊士各々にスポットを当てた全16編を収録した短編集。同時期発表の「燃えよ剣」と同じ人物たちを描きながらも、頑固者の近藤勇、人情味のある土方歳三、艶話に弱い山崎烝等、それぞれのキャラクター像が若干異なるのは興味深い。一人一人を掘り下げる作品の性質上、京の人々から畏怖される殺人集団という側面はやや抑え気味で、非常に人間味に溢れる描写が多いものの、エピソード自体はどれもタイトル通りに血生臭く、冷徹だ。山崎烝「池田屋異聞」、斎藤一「槍は宝蔵院流」、沖田総司「菊一文字」の三編がお気に入り。
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- 感想投稿日 : 2018年10月26日
- 読了日 : 2018年10月26日
- 本棚登録日 : 2018年10月26日
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