偶然世界 (ハヤカワ文庫 SF テ 1-2)

  • 早川書房 (1977年5月31日発売)
3.20
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  • (10)
  • (3)
本棚登録 : 427
感想 : 22
4

正確に書くと3.5かな。

ハヤカワ文庫が相変わらず嫌いなんだけども買ってしまった。
どうしてサイズ合わせないかな。
これはずっとぶつぶつ言い続けてやる。
ツイッターでも書いてやる。

久しぶりのディック。
最近はこういう完全なるエンターテイメントのものは再読ばかりで
新しいものは仕入れていなかった。
試験が終わって一息つきたい目的で
純粋なる楽しみとして購入。
作品はディックの長編一作目ということで選択(一説には三作目)。
この文庫版には表紙にわざわざ
「PKD's First Published Novel」
と記載してある。
短編はNovelじゃないのか(実際中編以上らしい)。

表紙ついでに書くと、
「Solar Lottery」
という原題が書かれていて、邦題に?と思ったら、
放題はイギリス版のタイトル
「World of Chance」を元にしているんだそうだ(後書きより)。
何故イギリス版から邦題が?
も謎だが同じ英語でタイトル変えるのも謎だ。
アメリカ版のタイトルもディックがつけたものは却下され
出版社がつけたらしいので、
やっぱり出版社の意志は大きいのかな。

くじによって権力者や階級が選ばれるという
ザ・ディックなディストピア設定。
物語進行と状況描写のために複数の主人公視点があるのも
ディックらしい。
安定のディックらしさなので、
それを求める人には良いと思う。
ディックを多数読んでいて、
意外性や刺激を求めたい人には違うかも。

しかし、
この物語は希望がある終わり方だったけれど、
ディックの闇は選ばれし者とその他という二極化にあるんだな、
と感じずにはいられない。
まあそこが好きなんだけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2016年4月30日
読了日 : 2016年4月30日
本棚登録日 : 2016年4月30日

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