ガール (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2009年1月15日発売)
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本棚登録 : 8487
感想 : 972
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いずれも妙齢の女性の、感情の機微というか、揺れ動く気持ちをテーマにした短編集。

理不尽なことに対する純粋な怒り、それがすごく素直に共感できた。

それにしても読後の爽快感が素晴らしい。そしてこれを男性の作家が描いているということもとても素晴らしい。痛快ではないか。
もちろんこれは男から見た感想だから、実際女性たちがこの本を読んでどう思うか、というのはわからない、だけど。

価値観が違いすぎて、議論する気にもならない、というくだりが、とても心に染みたのだ。

気の合わない人間はどこにでもいるが、きっと同じパーセントだけ、価値観の合う男女を配してくれているのだ。

そう信じたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月14日
読了日 : 2021年3月10日
本棚登録日 : 2021年3月10日

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コメント 3件

yuukichimaruさんのコメント
2021/06/18

この本を仕事仲間20代から60代までの女性、13名のグループで読んだ後、感想を伝えあったことがあります。それぞれの世代で共感できる部分は違うんです。
女性同士共有できる部分とそれでもやはりできない部分て言うのがあるよねって、意外に互いのプライベートにも触れつつ話した思い出が。
同じ奥田さんの『マドンナ』もその後でみんなで一緒に読んだことがありました。
あれから時が過ぎ、以前とは違う価値観で読めるかなぁってちょっと思いました。

いし いるかさんのコメント
2021/06/18

なるほど、それはとても興味深いですね(^^)
性差による感じ方は当然あるのでしょうけれど、あえて男性作家がこの視点で書いた、というところにとても面白さを感じました

yuukichimaruさんのコメント
2021/06/18

そうですね。後はお仕事をしている人、家庭で育児に奮闘している人、介護をしている人。「それぞれの立場でいろんな価値観があるよね。それを男性作家が書いてくれていると言う意味はすごく大きいですね。」と。
もっと多様な価値観を持たないとなーと先輩方の話を聞いて思った思い出も。

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