いわゆる、身分の違う恋、のお話。
カポーティの作品を読むとよく思うのだけれど、原文でないと伝わりにくいものがあると思う。
日本語に翻訳された段階で文章が流れにくくなってしまっているところがあって、読みにくい部分がある。
グレディのクライドを見る視線の揺れを感じる。
ふっと恋心を離れてクライドを見る瞬間があって、第三者である読者は、この先の破局を予感させられる。
物語は狂気で終わる。
この先、妊娠のこと、帰宅する両親のこと、冬の到来。
気ままで頼りない夏の航海が終わりを迎えたとき、冬の荒波を越えて安住の地に上陸できるのか。
私にはその姿は見えがたいが。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
9・文学
- 感想投稿日 : 2020年12月12日
- 読了日 : 2020年12月16日
- 本棚登録日 : 2020年12月12日
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