富嶽百景・走れメロス 他八篇 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店 (1957年5月6日発売)
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感想 : 118
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走れメロスを読みました。
読んでみようと思ったきっかけは、子供が通う学校の学習発表で、6年生が演じた走れメロスを観劇したためです。

劇はたいへんよくできていました。保護者を中心とした観劇者は、みな、しんと静まり、劇の世界に引き込まれていました。わたしも感動しました。

感動しながら、小林よしのりの漫画で読んだ「南の島に雪が降る」のことを考えていました。
「南の島に雪が降る」とは、大東亜戦争でパプアニューギニアに駐屯していた日本陸軍の部隊で、慰安のため、隊員同士で劇を催し、その劇の中で降らした紙の雪に、劇を見ていた隊員が感動し涙を流した、という実際の話です。

6年生の劇でも感動するレベルの劇に仕立てられたのですから、陸軍部隊の劇も、それは高いレベルだったでしょう。
もちろん、戦地では物資に限りがあります。しかし、徴兵された兵隊は、元々さまざまな職についていたはずです。そのさまざまな職のスキルを活かして、衣装や小道具、舞台装置などを工夫したはずです。そしてなにより、故郷を思う気持ちは、だれしも強かったに決まっています。演ずる側も観る側も感動はいかばかりだったか・・・。

劇もいいものですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年11月22日
読了日 : 2011年11月22日
本棚登録日 : 2011年11月22日

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