「君主論」や「政略論」を描いたマキャヴェリを描く一冊。
この第一巻では、マキャヴェリが生まれた時代の前後のフィレンツの政情を中心に描かれる。フィレンツェ人とはどのような民族であったかやロレンツォ・イル・マニーフィコと称されるようになるメディチ家の君主やその子孫たちが描かれている。
名君とされるロレンツォが君主論のモデルとなったからこそのこの背景かと思っていたら、そうでもないらしい。
一巻で特に気になったのはマキャヴェリが官僚を追放された時の心情。他者からはたわいない物に見えたとしても本人は大切に思っていた。それを奪われた時の絶望感たるや想像できないし、一般人には、現実味がなさすぎる出来事に思えてしまった。ただ、起こっている以上は、誰にでも起き得るし、彼みたいに乗り越えた時には歴史に名が残る人物へとなるのだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年5月3日
- 読了日 : 2023年5月3日
- 本棚登録日 : 2023年1月14日
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