すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)

著者 :
  • 光文社 (2008年8月12日発売)
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本棚登録 : 626
感想 : 80
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キャッチーなタイトルだが、意外と学術的。
現代資本主義が内包するバブル発生のメカニズムを、事例をもちいて解説している。
著者は資本主義の本質とは「ねずみ講」であり、癌のように無限に増殖する「キャンサーキャピタリズム」であると名付けている。
1〜3章のバブル発生のメカニズムは非常にわかりやすく解説されていて、かなり納得できた。4〜6章の具体的な事例の部分は本書の論旨を裏付けるために必要なのは間違いないが、描写がクドくて、個人投資家としても活躍する著者の「俺ってこんなに事情通なんだぜ」というひけらかしなんじゃないかと思ってしまうのは、俺がひねくれているだけか。

なお、著者は自分自身個人投資家であるだけでなく、行動ファイナンスを専門とした学者なので、投資家心理に基づく説明がかなり多い。

丁寧に自己の主張を展開しており、バブル及び現在の金融市場についての理解がすすむ良本だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 会計・経済・経営
感想投稿日 : 2008年8月28日
読了日 : 2008年8月28日
本棚登録日 : 2008年8月28日

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