台所生まれの台所育ちの女性・ティタの愛の物語。
不思議な魔力(に見えるだけで、実際はなんてことない現象だろうけど)をもったティタの料理の数々にまつわるエピソードは、なかなか面白いものもあった。
話の柱であるティタを取り巻く恋愛物語は話の運びがトラディショナルで、つまらなくはないが特に面白いとも思わなかった。もう一つのテーマ、伝統による女性の抑圧とそこからの解放についても、よくあるテーマをよくある運びで取り上げていて、こちらも目新しさはない。
料理の経験が乏しいので、肝心の台所仕事の姿もそこまで思い描けず。
とはいえ主人公ティタのキャラクターはなかなか魅力的。
でも結婚相手に選んだペドロが全然魅力的に見えないせいで、何とも腑に落ちない結末。
というか、登場人物をあまりにも意識的に好人物と嫌なヤツに描き分けているのが、話を単調にしてしまってるのかも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ラテンアメリカ・カリブ文学
- 感想投稿日 : 2009年6月1日
- 読了日 : 2009年6月1日
- 本棚登録日 : 2009年6月1日
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