被爆のマリア

  • 文藝春秋 (2006年5月1日発売)
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予測できたとはいえ、原爆に対し、我々以降の世代による思いは変わってきた。薄れたとは言いたくないが、時と共に冷めるのは否めない。唯一無二の被爆国でもあるのに、世界で最も戦争を身近に感じない国民なのだ。語りべを務める被爆者は高齢となり、さほど遠くない将来には失うだろう。そうした時、これまでのような平和記念館での紹介やらでは、果たして次世代に反戦非核を訴えられるだろうか。史実は遠ざかり、世相は変遷する。常にその時代に適した伝搬方法を考えていかなきゃいけないんじゃないか。それが著者の言わんとするところだと思う。

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感想投稿日 : 2014年6月17日
読了日 : 2006年12月11日
本棚登録日 : 2014年6月17日

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