「高慢と偏見」が面白かったので、「エマ」を読んでみる。
ジェイン・オースティンの作品は、作家の訴えたい何かを探ったり、世間に対しての皮肉だったりという作品を通じての問題提起がなされたものではない。あくまで結婚を考える女性を中心に、家族や恋人である男性や周囲のひとびととの間で巻き起こる出来事を読みやすく書いた娯楽性の高い作品だと思う。
作品を読んで何かを考えるとかいった読書でなく、とにかく読んで面白い。絵のない漫画のようだ。
それでいて、くだらないと一蹴してしまうのは勿体無い。不思議に読みたくなる作家だ。
上流家庭に育ったエマは美人で頭が良く、自分は結婚するつもりは毛頭ないくせに、ひとの結婚を纏めたい女性。
エマは、愛らしい私生児のハリエットとエルトン牧師との結婚を纏めたいと思い、ハリエットに思いを寄せるマーティンとの結婚話を壊してしまう。
美人で頭が良い主人公エマは、世話焼きで、思い込みと決めつけが激しい。
そんなエマなので、ひとの気持ちに気づくことが出来ずとんちんかんな思い込みと決めつけで、本人は至って真面目にとんでもないことをする。
勿論、読者にはエマのすることが的を外したことだと想像出来る。まさに喜劇。
今回の作品でも、エマをはじめ登場人物は個性豊かな面々で、読みはじめてすぐにジェイン・オースティンの世界に引き込まれる。
エマのお節介でハリエットはどうなるのか、エマの恋はあるのかないのか、下巻へ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年7月11日
- 読了日 : 2016年7月2日
- 本棚登録日 : 2016年6月11日
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