「頭がいい」とは、文脈力である。

著者 :
  • KADOKAWA (2004年12月1日発売)
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■きっかけ
つくづく僕は馬鹿だなあ。頭を良くしたいなあと思ってきた。
あいつは頭がいいな。こいつは僕と同じで頭が悪いな。

有名大学に通っているからって、
「君は頭が良いんだね」なんて言われても、
謙遜でもなんでもなく、「そんなことないです」と答えてしまう。
その度、頭が良いってなんなんだよ。勉強ができることじゃないだろう。と思ってきた。

「頭が良いとは何か」を知ることで、頭を良くする方法が考えられると思った。
そんな思いで本著を手に取った。

■共感したところ 学びになったところ
・結論、頭が良いとは意味をとらえることができる能力、「文脈力」にある

・現実を把握し、その周辺にあるさまざまな脈絡も捕まえることができること。平たく言えば空気が読めること。だったりもする

・今なんのために何をやっていて、これがどういう意味があるのかを説明できるのは頭が良いこと

・知識や情報を結びつけて意味のある繋がりを見出すこと、文脈を見出すこと

・自分自身の言葉として話たり書いたりして、意味を捕まえる力を養う

文脈力のポイント
①事柄の意味を捕まえ、文脈を抑えられること
②相手の文脈や、場の文脈にのれること
③自分の文脈をきちんと伝えられること
④文脈をそれても、元に戻れること

・1を聞いて10を知ること

・相手の世界を知るためには、相手の文脈に乗らないといけない。
相手の周辺情報をもとに意味を結びつけて、相手の文脈を捉える必要がある

・アイディアマンとは文脈力に長けている人
あるキーワードがあったときに、それを一つの網にして経験値を全部すくう技がある人
→アナロジー力、メモの魔力やメタ思考

・記憶は経験があるとどんどん増進するが、逆にまた、具体的な経験が記憶されることで非常に効率よく動けるようになる。
→当たり前だが、本質的。
外国に行って、言語側から通じなかったという経験があれば、学ぶ際にあの時こう言えばよかったんだと深く記憶に残る。
言葉が通じなくて、ジェスチャーでなんとかなったという具体的な経験があれば、次もすぐジェスチャーで意思を伝えることができる。みたいな

・記憶力は習慣であり、「技」である
記憶できないというのは、そのことに対して関心が持てないか、記憶する習慣を体得していない

・記憶は質感、手触り感があると、時間を経てもイキイキと取り出すことができる
身体性と結びついた記憶は引き出しやすい。いかに経験を自分の質感を持った記憶と結びつけられるかということ。

・相手に向かって踏み出す、踏み込むという感覚自体を「技化」していくと自分がどう動けば良いのかを常に判断しようとするので頭が活性化していく。
場の文脈に対して自分の文脈を絡めていく、自分を関わらせていくことが文脈力
→ただ流されるだけでなく、かといって、独りよがりにもならない、その他の文脈に合わせて、自分の文脈を関わらせていくというのが味噌

・踏み込めないのは、生きる姿勢としての勇気が足りないこと。だから踏み込むというメンタリティを鍛えていくことが、現実をより確かに、賢く生きることに結びつけてくれる。人生における決断には、踏み込む勇気が非常に重要。

・大局観を持ってどれが幹でどれが歯なのかを見失わないように、大きなバツ印をつけること

・個別の状況に応じて、自分がどのような関わり方をしているのか、そのつながりが面白い、自分を関わらせないで語ろうとすると人は話に薄っぺらい印象を持つ
→一般論をいわない。自分が何を経験し、どう感じ、何を考え、何を得たのか。ライブ感が人を動かす。N=1の体験が人を動かす。

・知識が意味を見出す視点を増やしてくれる。
ただコーヒーを飲むのでも、バリスタと僕なら、この一杯から得られる意味の量が全然違う

■感想
現実からどれだけの意味を言い出すことができるか、キャッチできるか。
今した行動がどういう意味をもつのか、失敗から何を学ぶのか。
結局観点次第であったり、解釈次第だったりする。
一般的な正解なんてどこにもなくて、自分がどう思うか、考えるかで全部決まるんだ。
だから、複眼的に物事を見る。考える。自分にとっていい解釈を選択していく。

視点を切り替える「技」を身につける
自分の視点から、相手の視点にジャンプする。
自分にとっても、相手にとっても、意味のある会話をする。
僕は営業活動をしているので、
僕にとって商品の話をするのは意味があるが、相手にとって意味があるとは限らない。
自分だけじゃなく、相手にとっても意味があることを話す
視点をジャンプし、相手の文脈を捉え、意味を考える

■今後の動き
自分の発言の動画を見て振り返る
→意味のある発言に気をつける。抽象度の高い会話をしない。意味の含有量を気にして喋る

詩を読む
→感情を表現する方法を学び、自分に生まれる感情を手触り感を持った生の状態で記憶したい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月28日
読了日 : 2022年8月27日
本棚登録日 : 2022年8月27日

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