東京奇譚集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年11月28日発売)
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本棚登録 : 10673
感想 : 884
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2020年9月3日読了。

村上春樹による5話の不思議な短編集。

『偶然の旅人』
『ハナレイ・ベイ』
『どこであれそれが見つかりそうな場所で』
『日々移動する腎臓のかたちをした石』
『品川猿』

村上春樹作品は長編しか読んだ事がなかったので短編を読んでみた。
長編に比べれば断然読みやすい。難解な表現・独特な比喩も少なく、他の作品を難しそうと敬遠してる人でも割とすんなり読めると思う。
おそらく実話を元にした『偶然の旅人』
フィクションであれ実際にありそうな物語の『ハナレイ・ベイ』あたりは話にも入り込み
やすかった。

だが、そこは村上春樹。
後半の3作品はそれなりに難解。
『どこであれそれが見つかりそうな場所で』は、意味深な言葉や答えのはっきりしない読後感など、受け止め方・感想は読み手次第といった村上節炸裂な作品。

『品川猿』は、言葉を話す猿が登場したりとファンタジー色強めの作品だが、他の作品とは少し毛色が違い楽しめた。
最新短編集の『一人称単数』にも品川猿が登場するようなので気になる所。

ハワイでサーフィン中に鮫に襲われた息子とその母親を描く『ハナレイ・ベイ』は、原作で40ページほどの作品なのだが映画化もされているので観てみようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月4日
読了日 : 2020年9月4日
本棚登録日 : 2020年8月30日

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