迷いアルパカ拾いました (文春文庫 に 19-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年7月10日発売)
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感想 : 84
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ワニ日和、ダチョウにつづく第三弾。ミステリのシリーズはこれぐらい無駄に事件が起きるのがよろしい。今回はとても深い闇。動物プロダクションの虐待がテーマになってます。とはいえ、暗くもなく、読了感も悪くない。前半にもちらりと言及される、捨てペットについても、非常に良いですな。今回は捨てアルパカからのスタート。ももさん、鴇先生、七森さん、服部くんの活躍が大変楽しい。服部くんが回を増すごとに魅力が倍増してきます。

>『どこかで保護されていた動物が最終的に動物園に引き取られる、というケースは時折あるが、それは密輸が摘発されて、押収されたとかいった特殊なケースだけで、そもそも飼える施設も費用も労力もないのに、動物園が何に感染しているか分からない捨てペットを引き取ったりはしない。だが、置いておけば引き取ってくれるだろうという浅はかな考えで動物園付近にペットを捨てていく最低の人間(注釈)が時折いるのだ。電話で「引き取ってくれないか」と言ってくる世間知らずもいる。動物園の動物は一個体ごとに厳格に管理されており、飛び入りなど受け入れる余地がないことぐらい分からんのかと思うが、分からん人間もいるのである。』
『(注釈)当たり前のことだが、動物を飼い始めたら動物が死ぬまで自分で飼わなければならないし、動物より先に死んでもならない。』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2020年4月24日
読了日 : 2020年4月24日
本棚登録日 : 2020年3月12日

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