職業としての学問 (岩波文庫 白 209-5)

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感想 : 180
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『職業としての政治』がよかったので読んでみたのだが、コチラは馴染めなかった。おそらく書物としての価値はあるのだろうけど、例示があまりにも宗教に偏りすぎていて、どうにも理解しづらい。内容も、いわんとしていることはなんとなくわかるのだけれど、ただ一概に正しいとはいえない気もする。たとえば、学問と政治を分離せよというが、もちろんそれは間違った主張であるとまではいえないけれど、ある事柄を教授するという時点で完全に中立ではないのであって、それは見方によっては政治的なのだから、もうちょっと具体的に述べてくれないと、たんなる空理空論に終わってしまう。『政治』のほうは当事者ではないから反論も思い浮かばなかっただけかもしれないけれど、本書の場合はどうにもただ理想論を語りすぎていて、具体性・現実性に欠けるという印象はある。ただ、また時間をおいて読んだら違う印象かもしれないし、心構えとしてはよいことが書いてあるので、読めたことじたいはよかったと思っている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年4月6日
読了日 : 2014年4月4日
本棚登録日 : 2013年3月10日

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