街道をゆく 34 大徳寺散歩、中津・宇佐のみち (朝日文庫 し 1-90)

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  • 朝日新聞出版 (2009年4月7日発売)
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以下引用~
・鎌倉時代、絶対他力の親鸞念仏と、絶対自力の禅がうまれ、両輪相まって、日本文化にふかい影響をあたえた。

・仏教の本質は、自分の力で自分を浄める道だ、ということにある。

・日本人はよほど清潔ずきらしく、”きれい”ということばは、たとえば、よく洗った皿がきれいである、あるいは、このビンきれいですか、という意味と同時に、彼女、きれいだよ。という別義を持っている。
清潔と美が、一つのことばなのである。オランダ語もそうだそうで、オランダ人の清潔好きの説明によくつかわれる。

・福沢には、沢がつく。沢のつく地名、苗字は信州に圧倒的に多い。諏訪湖の東南の茅野市の市域のなかに、福沢という小さな村があって、諭吉の祖はそこから出た、と福沢家の伝説にいう。

そのころ、中津は小河原氏の時代だった。この大名は室町時代にすでに信濃の守護だった家で、信州松本が封地だったこともあり、家臣に信州人が多かった。
ついでながら、中津はよき混血の地である。初代黒田氏の家来には播州(兵庫県)人が多かったろうし、つぎの細川氏には京都人がすくなからずいたろう。小河原氏の信州、奥平家の三河(愛知県)。

・つまり封建制のもとでは、下級の家にうまれた者はいかに学問ができてもむだなわけで、僧侶になることがぬけ道だった。魚屋の息子が大僧正になったというような者がいくらもいた、と諭吉はいう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本国内
感想投稿日 : 2023年6月5日
読了日 : 2023年6月5日
本棚登録日 : 2023年6月5日

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