新装版 蚤と爆弾 (文春文庫) (文春文庫 よ 1-52)

著者 :
  • 文藝春秋 (2015年4月10日発売)
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感想 : 32
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太平洋戦争の際に日本軍部が取り組んでいた細菌兵器を開発していた「731部隊」に関する歴史小説。
吉村昭の作風らしく、事実を淡々と伝えるアプローチで、却って迫ってくる恐怖を感じる。
ナチスの残忍な行為もそうだが、人間が人間性を失っていく、これが「戦争」の狂気、そして愚かなところ。この部隊を率いる石井四郎は、自分の任務、科学の発展のため、という錦の御旗に疑いをもたない。

今を生きる我々にとっては、このような悲劇を風化させない努力が必要なのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2022年10月9日
読了日 : 2022年10月9日
本棚登録日 : 2022年10月9日

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