丕緒の鳥と同様の短編集。あちらは市井の無名の人々の物語だったのに対し、長編の主役たちが登場する小編を集めたものだ。なのでこれまで読んだ作品の後日譚だったり前哨譚だったりしていずれもおもしろい。戴麒は相変わらずだし、芳の月渓の義理堅さもそのままだ。陽子は頑張っているし、利広は飛び回っている。そんななかでこれまで登場してなかった朴訥な漣王とか、才の女王黄姑の前身などのようすがうかがえるのも興味深い。十二の国それぞれにストーリーを展開させるのも大変だろうから、こういう短編でいろいろな国のようすを垣間見せるというのももっとあってもいいように思うな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2022年5月28日
- 読了日 : 2022年5月14日
- 本棚登録日 : 2022年5月28日
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