シッド・ハレー物第2作。
フランシスの作品は競馬シリーズといっても基本的には単発で、すべて一作ごとに完結しています。主人公の中で、3作描かれているのは彼だけ。
それだけ登場した時の印象が強く、意志の強さや勘の良さは典型的でもあります。性格は冷静なようでも内面は激しく、孤独がちなほうで、それだけにヒーローっぽいんですね。
元は競馬のトップ騎手で、落馬事故で手を痛め、深い心の傷を負っていました。前回の事件で精神的には立ち直ったものの、手の方はついに切断していますが、最先端の義手を試している時期ですね。
離婚した妻との葛藤とうらはらに、義父とは離婚後も親しく、最初は娘にふさわしくない相手と全く存在価値を認めなかった義父との関係が深まっていくのも面白いところ。
1981年、MWA最優秀長篇賞受賞作。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ(ヒーロー)
- 感想投稿日 : 2009年9月26日
- 読了日 : 2009年9月26日
- 本棚登録日 : 2009年9月26日
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