八咫烏シリーズというか、「烏に単は似合わない」の続編。
一作目とほぼ同じ時期の裏側を描きます。
人の姿をした八咫烏が支配する世界、山内。
次の統治者の金烏となる日嗣の御子の座をめぐり、権力争いが起きていた。
賢い兄・長束をさしおいて日嗣の御子に選ばれたのはうつけの弟宮だったが、まだ大貴族たちは納得していない。
四家の后候補の姫たちが宮殿に上がるのだが、若宮はいっこうに訪れもしなかった。
その理由は、刺客に狙われてそれどころではないからだった‥!
地方の豪族の息子・雪哉は、地元でのんびり暮らすのが望みで、ぼんくらと評価されている。
ところが、宮殿で若宮に仕えるよう決まってしまう。
しぶしぶ都へ向かった雪哉は、部下がろくにいない若宮の居所に驚く。
無理難題を命じる若宮に反発しつつ、つい頑張ってしまう雪哉。
本当は出来る奴だが意地っ張りなのだ。
若宮とのやり取りや、つぎつぎと危地を脱する展開はいきいきと描かれていて、一作目よりも面白い。
1作目の内容ともっとかぶるかと期待したけど、あまり関係ないほどだった‥
事情のわからない雪哉を視点に展開するのは、1作目と同じですね。
若宮は偏った育ち方をしていて、確かに言葉足らず。
ちょっと気の毒な気もするけど。
金烏が何かもわからない雪哉の不満は、読者も同じですが~だからって辞めると決めるのは早計で、子供の理屈という印象。
とはいえ意外な結末にはいささか拍子抜け。
読者を驚かせることを優先しているのか?
ただ、書かれていない期間があるし‥ひょっとして、これも引っ掛けかなあ‥と思わないでもないですね。
どういう続きにしてくるのか、先を知りたくなります☆
- 感想投稿日 : 2015年11月6日
- 読了日 : 2015年9月3日
- 本棚登録日 : 2015年9月3日
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