緑衣の女

  • 東京創元社 (2013年7月11日発売)
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本棚登録 : 506
感想 : 88
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評価の高いアイスランドのミステリ。
ある女性の過去の人生がさしはさまれ、捜査官エーレンデュルの人生にもある転機が訪れる。
印象深い作品です。

首都レイキャビクの郊外にある住宅建設地で、古い骨が発見された。
現場近くにはかって古いサマーハウスがあり、第二次世界大戦の終わる頃には、イギリスやアメリカの軍人が住むバラックもあったという。
捜査に当たるエーレンデュルらは、緑色の服を着た女性がたびたびその地に現れたという話を聞く。
一体何者なのか‥?

若い女性と幼い子供が夫に虐待される悲痛な現実が、挿入されていきます。
それがどこでどう事件と関わっていくのか‥?
あまり酷いので目を覆うばかりですが、作者が家庭内暴力を甘く見られがちなことに義憤を感じ、問題を明らかにしたかったようです。
暴力で命の危険にも晒されて、被害者は判断力を失ってしまう。拒否すればいいとか、家を出ればいいということで済むような問題ではないのだと。

エーレンデュル自身の幼い頃の悲劇と苦悩も明らかに。
若くして離婚、妻にはいまだに恨まれています。
そのいきさつと、音信普通だった間に壊れてしまった子供達の問題も。
娘エヴァ=リンドは妊娠していて、薬を減らそうと努力していましたが、家を飛び出します。必死に探す父親。エヴァ=リンドは危機に陥りますが‥
絶望的に見えた状況に奇跡が‥!
一筋の希望がともります。

この作品で、北欧ミステリの賞「ガラスの鍵」賞を連続受賞したばかりか、CWA賞ゴールドダガー賞も受賞しています。
邦訳2冊目ですが、シリーズとしてはもっと前から書き継がれているので、ずっと読んできた読者の感動はさぞかしと思わせます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(ヒーロー)
感想投稿日 : 2014年3月22日
読了日 : 2013年12月15日
本棚登録日 : 2013年12月15日

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