時代小説「居酒屋ぜんや」シリーズ1作目。
美味しいお料理が出てくる、人情ものです。
林只次郎は貧乏旗本家の次男。
家禄を継ぐこともない立場でのんびりした性格だが、鶯にいい声で鳴かせるよう育てるのが得意で、今では家計を支えています。
当時、飼っている鶯の声を競う趣味の世界があったのですね。
上客から預かった鶯が行方知れずとなり、途方に暮れていたある日、いい居酒屋があると誘われます。
美人女将のお妙の優しい笑顔に癒され、丁寧に作られた素朴な料理に惚れ込む只次郎。
家庭料理にあるようなものを手間暇惜しまずに仕上げている感じで、好感が持てます。
味には一工夫してあり、お妙の気性と才覚が感じられますね。
気取らない店だが、大店のご隠居さんなども集まってくる、ひそかな名店なのでした。
毎回ちょっとした謎とその解決がありますが、捕物帳ではなく、本人にとっては大問題でも世間からすればそこまで重い問題ではない場合がほとんど。
人間関係もゆっくり進むようだし~ほっこりしながら安心して読めます。
気に入りました☆
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2021年5月5日
- 読了日 : 2020年8月23日
- 本棚登録日 : 2021年5月5日
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